代表引退を表明したエジルにドイツサッカー協会は真っ向対立?
「連盟から差別を受けた」と主張するエジル
先日、ドイツサッカー連盟やメディアからの人種差別があったとしてドイツ代表引退を表明したメスト・エジル(アーセナル)。
今回のサッカー協会と彼の冷戦は長期化しそうだ。
ことの発端は、長らくドイツ代表10番を背負ったメスト・エジルが、自身のSNSアカウント上で、3部構成に及ぶ声明を投稿したことから始まった。
その内容は、ドイツサッカー協会に対して「もうドイツ代表チームのユニフォームに袖を通すことはできない」という内容のもので、ロシアワールドカップでのパフォーマンス内容、人種問題により自身に集中した批判の声にも触れていた。
エジルがなぜドイツ国内で批判を受けているかというと、単純にワールドカップでのプレーが乏しい内容だったからではない。
ワールドカップ開幕前に、自身のルーツであるトルコを前面に押し出す行動を取ったことがそもそもの火種となっている。
エジルは、同じくドイツ代表でトルコにルーツを持つイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)とともに、トルコのエルドアン大統領と会合を行った。
ドイツ国内では、エルドアン大統領がトルコ国内で行った政治的弾圧が大きな波紋を呼んでいることから、国内ではエジル、ギュンドアンが取った行動が激しく非難されていたのだ。
そこで、プレーとは関係のない部分で、ルーツを引き合いとしたバッシングを激しく受けたエジルが憤慨し、代表引退を表明するまでに至ったという訳だ。
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ドイツサッカー協会は真っ向から対立
だが、ドイツサッカー協会は、このエジルの発言を真っ向から否定している。
「メスト・エジルがドイツ代表から身を引くというのは非常に残念なことだ。しかし、我々ドイツサッカー協会は、人種差別に関与したことを否定したい。私たちは、何年間にもわたってドイツ国内での人種差別撲滅に死力を尽くしている」
一方のエジルは、「僕は勝利すればドイツ人、負ければ移民さ」と切実かつ悲痛な思いを吐露している。2010年大会、2014年大会ワールドカップの功労者が、思わぬ形で代表から身を引くこととなってしまった。
今回の一件は、今後国を揺るがす問題に発展する可能性も…。