攻撃を放棄した日本に疑問の声広がるも…「GL突破」だけを求めた西野監督
各国メディアから小さくないバッシングを受けるも…
昨夜のグループステージ最終節で、リスクを冒さず他力本願でグループステージ突破を決めた西野ジャパンの戦いぶりに、世界中が議論をしている。
日本代表は、グループステージの最終節で、ポーランド相手に0-1で敗れたものの、フェアプレーポイントの差でセネガルを上回り、辛くも決勝トーナメント進出を決めた。
一点ビハインドで迎えた終盤、同時刻他会場で行われていたコロンビア対セネガルの結果を受けて、フェアプレーポイントでセネガルを上回ることができると踏んだ西野監督は、残り10分間の攻撃を「放棄」して、自陣でのパス回しに徹し完全な逃げ切り体制を執った。
このプレーに対して、世界各国のメディアが非難の声を寄せている。中には、「日本には決勝トーナメント初戦のベルギー戦で惨敗してほしい」と綴るメディアもある程だ。
日本国内でもそのプレーぶりに疑問を抱くサポーターが多くを占めているようだが、裏を返せば、そうした「リスク」を承知の上でこの作戦を慣行した西野朗のメンタルの強さを窺うこともできるのではないか。
もちろん、仮にあの状況で他会場のセネガルがコロンビア相手に1点でも奪っていたら、この作戦は失敗に終わっていた。
そうなれば、ほとんど「自滅」に等しい扱いを受けたであろう西野ジャパン。
そうしたリスクを承知の上で、指揮官はあくまで貪欲に「グループステージ突破」というミッションにだけこだわった。
得るものをすべて得ていざベルギー戦へ…
結果的には、その判断が功を奏した。
乾貴士(レアル・べティス)や長谷部誠(フランクフルト)といったイエローカード持ちの選手を温存し、さらには大迫勇也(ブレーメン)、香川真司(ドルトムント)、原口元気(デュッセルドルフ)といった主力選手の体力回復も図れた。
得られるものをすべて得た状態で決勝トーナメントへの切符を勝ち取ったといって差し支えないだろう。
こうしたある種「無様」な戦い方をした上で、ベルギーとの対戦資格を得た日本は、がぜん負けられない状況となったわけだが、コロンビア戦、セネガル戦でハイパフォーマンスを発揮したフレッシュな主力たちが何かをやってのけてくれることを信じたい…。
そんな西野ジャパンの決勝トーナメント初戦、ベルギー戦は日本時間7月3日3時キックオフ予定となっている。